【細菌簡易培養検査】

○ 取扱い  
原則として、「歯髄壊疽(Puエソ)」病名で、細菌簡易培養検査の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由  
歯髄壊疽は、細菌感染によって壊死した歯髄が腐敗し、根管内の歯質が感染した状態であるため、根管内の細菌感染の有無を把握する細菌簡易培養検査を行うことは有用である。

【歯周病検査】

○ 取扱い
原則として、画像診断の算定がない「D002 歯周病検査 2 歯周精密検査」の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
 歯周疾患の病態によっては、画像診断を行わなくても、4点以上のポケット等を測定する歯周精密検査により歯周病の確定診断を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【顎運動関連検査】

○ 取扱い
原則として、仮床試適と同日に行われた顎運動関連検査の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
咬合関係をより正確に再現するため、仮床試適と顎運動関連検査を同日に行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【写真診断】

○ 取扱い  
原則として、「咬合異常(Mal)」病名で、画像診断の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由  
咬合異常により生じた歯周組織や顎関節等に対する病態や原因の診断に、画像情報が有用な場合がある。

【写真診断】

○ 取扱い
原則として、歯冠修復物の不適合又は破損のみで、画像診断の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯冠修復物が不適合又は破損した原因を診断するため、画像情報が有用な場合がある。

【写真診断】

○ 取扱い
原則として、「上顎洞炎」病名で、歯科エックス線撮影(全顎撮影以外の場合)の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由  
上顎洞の炎症の原因等を把握するために歯科エックス線撮影の画像情報が有用な場合がある。

【写真診断】

○ 取扱い  
原則として、歯科エックス線撮影(全顎撮影以外の場合)算定後、同一部位に対する歯科エックス線撮影(全顎撮影の場合)の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由  
歯科エックス線撮影(全顎撮影以外の場合)と歯科エックス線撮影(全顎撮影の場合)では、撮影目的が異なることから、歯科疾患の症状や部位等によって、最初に局所の撮影を行い、その後、全顎的に撮影を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【写真診断】

○ 取扱い  
原則として、処置又は手術の算定がない、同月又は連月の複数回の歯科パノラマ断層撮影の算定を認めない。

○ 取扱いを定めた理由  
最初に撮影した歯科パノラマ断層撮影の画像情報と、処置又は手術を行わずに同月又は連月で撮影した歯科パノラマ断層撮影の画像情報とを比較した場合に、後者の撮影で新たに得られる情報は少ないことから、本撮影を複数回行う必要性は乏しいと考えられる。

○ 留意事項  
新たに傷病が発生した場合や、処置又は手術後の経過を観察する場合に行われた同月又は連月の複数回の歯科パノラマ断層撮影は、事例ごとに判断する必要があると考えられる。

【写真診断】

○ 取扱い  
原則として、腐骨除去手術後の歯科パノラマ断層撮影の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由  
腐骨除去手術後の顎骨の回復状態を診断するために歯科パノラマ断層撮影の画像情報が有用である。

【写真診断】

○ 取扱い  
原則として、「開口障害」病名で、歯科パノラマ断層撮影の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由  
開口障害の原因や顎関節の状態等を診断するために歯科パノラマ断層撮影の画像情報が有用である。

【写真診断】

○ 取扱い  
原則として、「歯の脱臼(Lux)」病名で、歯科パノラマ断層撮影の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯の脱臼後の歯槽骨等の状態を診断するために歯科パノラマ断層撮影の画像情報が有用である。

【写真診断】

○ 取扱い  
原則として、「下顎隆起」病名で、歯科パノラマ断層撮影の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由  
下顎隆起の病態を診断するために歯科パノラマ断層撮影の画像情報が有用である。

【歯科用3次元エックス線断層撮影】

○ 取扱い  
原則として、「顎骨腫瘍」病名で、歯科パノラマ断層撮影と同日に行われた歯科用3次元エックス線断層撮影の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
顎骨腫瘍に対する診断や治療計画を立案する上で、腫瘍の部位や範囲等をより詳細に把握するために、歯科パノラマ断層撮影で診断が困難であった場合に歯科用3次元エックス線断層撮影の画像情報が有用な場合がある。

【咬翼法撮影】

○ 取扱い  
原則として、「象牙質知覚過敏症(Hys)」病名で、咬翼法撮影を行った場合の歯科エックス線撮影の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由  
象牙質知覚過敏症に対する診断や治療計画の立案を行う上で、咬翼法撮影により得られる硬組織の状態等の画像情報が有用な場合がある。

【咬翼法撮影】

○ 取扱い  
原則として、上顎のみ又は下顎のみの疾患で、咬翼法撮影を行った場合の歯科エックス線撮影の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由  
上下顎いずれかのみの疾患であっても、診断や治療計画を立案する上で、咬翼法撮影により得られる硬組織等の状態等の画像情報が有用な場合がある。

【コンピューター断層撮影(CT撮影)<医科点数表>及び磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影)<医科点数表>】

○ 取扱い  
原則として、「顎関節症」病名で、同日に、同一部位に対するコンピューター断層撮影(CT撮影)<医科点数表>と磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影)<医科点数表>の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由  
顎関節症に対する診断や治療計画を立案する上で、CT撮影で顎関節の骨の形態変化等を、MRI撮影で顎関節円板の転位等を診断するために双方の画像情報を用いる場合がある。

【コンピューター断層撮影(CT撮影)<医科点数表>及び磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影)<医科点数表>】

○ 取扱い  
原則として、上顎洞炎手術後で同日のコンピューター断層撮影(CT撮影)<医科点数表>と磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影)<医科点数表>の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由  
上顎洞炎手術後の状態やその後の治療計画を立案する上で、CT撮影で上顎洞骨壁の破壊状況等を、MRI撮影で肥厚した上顎洞粘膜の性状等を診断するために双方の画像情報を用いる場合がある。

【磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影)<医科点数表>】

○ 取扱い  
原則として、「顎関節症」病名で、磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影)<医科点数表>の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由  
顎関節症に対する診断や治療計画を立案する上で、顎関節円板の転位等を診断するために、MRI撮影の画像情報が有用な場合がある。

【う蝕処置】

○ 取扱い  
原則として、「歯髄炎(Pul)」病名で、う蝕処置の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由  歯髄炎は、う蝕に継発して生じる疾患であり、う蝕処置を行うことによって歯髄の炎症症状を軽減させ、歯髄を温存することが臨床上あり得るものと考えられる。

【う蝕処置及び歯髄保護処置】

○ 取扱い  
原則として、「脱離」の病名のみで、う蝕処置又は歯髄保護処置の算定を認めない。

○ 取扱いを定めた理由
脱離のみでは、その原因や状態が明らかでないため、算定にあたっては、う蝕処置又は歯髄保護処置が必要とされる傷病名の記載が適切である。

【咬合調整】

○ 取扱い  
原則として、「P」病名で、歯周病検査の算定がない歯周炎に対する歯の削合を行った場合の咬合調整の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯の支持組織の負担軽減のため、歯周病検査を実施する前に咬合調整を行う場合が臨床上あり得るものと考えられる。

【咬合調整】

○ 取扱い  
原則として、前歯部に対して歯冠形態修正を行った場合の咬合調整の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
前歯部であっても、歯冠形態によって、歯又は歯周組織に過重圧がかかるため、これらの部位に対する負担を軽減するために歯冠形態修正を行う必要が臨床上あり得るものと考えられる。

【う蝕薬物塗布処置】

○ 取扱い  
原則として、永久歯に対するう蝕薬物塗布処置の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
永久歯のう蝕の進行を抑制するためにう蝕薬物塗布処置を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【う蝕薬物塗布処置】

○ 取扱い  
原則として、スケーリング及び歯周基本治療処置を行った歯に対するう蝕薬物塗布処置の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯又は歯周組織の症状に応じて、歯周病に対する歯周基本治療処置を行った後に、う蝕に対するう蝕薬物塗布処置を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【初期う蝕早期充填処置】

○ 取扱い  
原則として、歯科診療特別対応加算を算定した患者に対して、初期う蝕早期充填処置の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯科診療で特別な対応が必要な患者は、う蝕に対する自己管理ができない場合等、う蝕に対する重症化リスクが高いために、初期う蝕早期充填処置を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【歯内療法】

○ 取扱い  
原則として、大臼歯の根分離歯に対する3根管以上の歯内療法の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
大臼歯の根分岐部病変等の治療を行うために、歯根を分離した上で3根管以上の歯内療法を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【歯髄切断】

○ 取扱い  
原則として、「歯髄炎(Pul)」病名で、歯髄切断の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯髄炎の症状によっては、歯髄の一部を切断し、歯髄を積極的に保存することが臨床上あり得るものと考えられる。

【抜髄】

○ 取扱い  
原則として、「根尖性歯周炎(Per)」病名で、抜髄の算定を認めない。

○ 取扱いを定めた理由
根尖性歯周炎は、根管内から歯根の周囲組織に細菌感染が拡大している状態であり、この状態で、根管内の感染歯質が除去できない抜髄を行うことは適切でないと考えられる。

【抜髄】

○ 取扱い  
原則として、生活歯髄切断後に抜髄の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯髄を積極的に保存した後に、歯髄の炎症症状の拡大等により抜髄を行うことは臨床上あり得るものと考えられる。

【口腔内軟組織異物(人工物)除去術及び抜髄】

○ 取扱い  
原則として、同日に、同一部位に対する歯の破折片の除去を行った場合の「J073 口腔内軟組織異物(人工物)除去術 1 簡単なもの」と抜髄の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
物理的要因によって歯が破折した場合等に、歯の破折片を除去し、その後、当該歯の症状等によって抜髄を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【感染根管処置】

○ 取扱い  
原則として、「歯髄炎(Pul)」病名で、感染根管処置の算定を認めない。

○ 取扱いを定めた理由
歯髄炎は、細菌感染による歯髄の炎症症状を示しているものの、根管内の感染状況が明らかでないため、算定にあたっては、根管内が感染している状況を示す傷病名の記載が適切である。

【感染根管処置】

○ 取扱い  
原則として、「歯髄壊死(Puエシ)」病名で、感染根管処置の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯髄壊死は、細菌感染によって歯髄が壊死しており、根管内の歯質が感染している可能性が高いことから、感染根管処置を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【感染根管処置】

○ 取扱い  
原則として、「歯髄壊疽(Puエソ)」病名で、感染根管処置の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯髄壊疽は、細菌感染によって壊死した歯髄が腐敗し、根管内の歯質が感染した状態であり、根管内の感染歯質を除去する感染根管治療を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【感染根管処置】

○ 取扱い  
原則として、「象牙質知覚過敏症(Hys)→根尖性歯周炎(Per)」の移行病名で、感染根管処置の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
象牙質知覚過敏症が重篤な場合に、歯髄が失活し、根尖性歯周炎を引き起こすことがあり、この場合に根管内の感染歯質を除去する感染根管処置を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【加圧根管充填処置】

○ 取扱い  
原則として、根管充填の根管数より少ない根管数の加圧根管充填処置の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
根管形態によっては、加圧根管充填処置を行わなくても緊密に充填を行うことが臨床上可能であるため、この場合に、根管充填及び加圧根管充填処置の根管数が一致しない場合がある。

【加圧根管充填処置】

○ 取扱い  
原則として、歯の脱臼による歯の再植術後に根管充填と併せて行った加圧根管充填処置の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯の脱臼により、歯髄が失活した場合に、歯を積極的に保存するため、歯の再植後に根管充填と併せて加圧根管充填処置を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【加圧根管充填処置】

○ 取扱い  
原則として、電気的根管長測定検査の算定がない場合であっても、根管充填と併せて行った加圧根管充填処置の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
根管の形態によっては、電気的根管長測定検査を行わずに加圧根管充填処置を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【歯周基本治療】

○ 取扱い  
原則として、「G」病名で、同一部位に対して2回目の「I011 歯周基本治療 1 スケーリング」の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
スケーリングを実施した後に、歯肉炎の症状が改善されない場合に、同一部位にスケーリングを再度行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【歯周基本治療及び歯根端切除手術】

○ 取扱い  
原則として、同日に、同一部位に対する歯周基本治療と歯根端切除手術の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯周基本治療と歯根端切除手術は、それぞれ原因となる病巣が異なることから、症状に応じて、同日に歯周基本治療と歯根端切除手術を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【歯周基本治療処置】

○ 取扱い  
原則として、「G」病名で、歯周基本治療処置の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯周基本治療処置は、歯周ポケット内の洗浄を図る目的で行うことから、歯肉炎の症状の改善を図るために、歯肉縁下に付着したプラーク等を洗浄して除去することが臨床上あり得るものと考えられる。

【歯周外科手術及び暫間固定】

○ 取扱い  
原則として、同月に、別部位に対する歯周外科手術と「I014 暫間固定 1 簡単なもの」の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯周外科手術後に、当該歯の歯周組織に過度に咬合圧等の負担が生じた場合に治癒が阻害することがあり、手術とは別部位に暫間固定を行うことによって、咬合圧を分散し歯周組織の負担軽減を図ることが臨床上あり得るものと考えられる。

【暫間固定及び暫間固定装置修理】

○ 取扱い  
原則として、同月に、同一部位に対する暫間固定と暫間固定装置修理の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
暫間固定後、比較的早期に物理的要因等により装置が破損した場合に、当該装置を修理することがあり得るものと考えられる。

【う蝕歯即時充填形成及び暫間固定】

○ 取扱い  
原則として、同日に、同一部位に対するう蝕歯即時充填形成と暫間固定の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
う蝕歯即時充填形成と暫間固定は、それぞれ原因となる病巣が異なることから、同日にう蝕歯即時充填形成と暫間固定を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【暫間固定装置修理】

○ 取扱い  
原則として、暫間固定装置(レジン連結冠固定法)に対して、暫間固定装置修理の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯周疾患治療期間中に、歯周組織の負担軽減を図るために装着している暫間固定装置を継続して使用するために、破損した暫間固定装置の修理を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【口腔内装置③】

○ 取扱い  
原則として、乳歯列期の「歯ぎしり(Brx)」病名で、口腔内装置の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
乳歯列期の小児は、睡眠時等に生理的な歯ぎしりを行うことがあり、この場合に口腔内装置を装着することで、歯の摩耗や歯周組織に対する過度な負担等が軽減できると考えられる。

【歯周治療用装置】
 
○ 取扱い  
原則として、対顎が無歯顎の場合においても、「I018 歯周治療用装置 2 床義歯形態のもの」の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯周治療用装置は、歯及び歯周組織の負担軽減を図るために装着される装置であり、対顎が無歯顎であるか否かに関わらず装置を装着することが臨床上あり得るものと考えられる。

【歯冠修復物又は補綴物の除去】

○ 取扱い  
原則として、画像診断の算定がない歯冠修復物又は補綴物の除去の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯科疾患による症状の原因が、歯冠修復物等が装着されている歯であることが明らかな場合は、画像情報は必ずしも必要でないと考えられる。

【歯冠修復物又は補綴物の除去及び感染根管処置】

○ 取扱い  
原則として、同日に、同一部位に対する歯冠修復物又は補綴物の除去と抜歯を前提として急性症状の消退を図ることを目的とした根管拡大等を行った場合の「I006 感染根管処置 1 単根管」の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
抜歯を前提として急性症状の消退を図ることを目的とした根管拡大等を行うために、装着されている歯冠修復物等を除去することが臨床上あり得るものと考えられる。

【歯冠修復物又は補綴物の除去及び歯冠形成】

○ 取扱い  
原則として、同日に、同一部位に対する歯冠修復物又は補綴物の除去と「M001 歯冠形成 1 生活歯歯冠形成」又は「M001 歯冠形成 2 失活歯歯冠形成」の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
硬組織疾患等の症状に応じて、歯冠修復物等の除去後に、同日に生活歯歯冠形成又は失活歯歯冠形成を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【歯冠修復物又は補綴物の除去及び歯冠形成】

○ 取扱い  
原則として、同日に、同一部位に対する歯冠修復物又は補綴物の除去と「M001 歯冠形成 3 窩洞形成」の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
硬組織疾患等の症状に応じて、歯冠修復物等の除去後に、窩洞形成を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【口腔内軟組織異物(人工物)除去術及び歯冠修復物又は補綴物の除去】

○ 取扱い  
原則として、同日に、同一部位に対する歯の破折片の除去を行った場合の「J073 口腔内軟組織異物(人工物)除去術 1 簡単なもの」と歯冠修復物又は補綴物の除去の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
物理的要因によって歯が破折した場合等に、歯の破折片を除去し、その後、当該歯の症状や根管内の感染状況等によって歯冠修復物等の除去を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【暫間固定装置の除去】

○ 取扱い  
原則として、「P」病名のみで、暫間固定装置の除去の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯周疾患に伴う歯の動揺度等の改善がみられた場合は、装置の不適合や破損がなくても装着した暫間固定装置を除去することが臨床上あり得るものと考えられる。

【暫間固定装置の除去】

○ 取扱い  
原則として、「歯の亜脱臼」病名で、暫間固定装置の除去の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯の亜脱臼により暫間固定装置を装着した歯の動揺度等の改善がみられた場合は、装置の不適合や破損がなくても装着した暫間固定装置を除去することが臨床上あり得るものと考えられる。

【有床義歯床下粘膜調整処置】

○ 取扱い
 原則として、「義歯ハセツ」病名で、有床義歯床下粘膜調整処置の算定を認めない。

○ 取扱いを定めた理由
有床義歯床下粘膜調整処置は、有床義歯の刺激等によって有床義歯床下の顎堤粘膜が異常を来たしている状態に行われる処置であり、算定にあたっては、有床義歯床下粘膜の異常を示す傷病名の記載が適切である。

【抜歯手術】

○ 取扱い  
原則として、「G」病名で、抜歯手術の算定を認めない。

○ 取扱いを定めた理由
歯肉炎は、歯肉に限局して炎症が表れているものの歯槽骨まで破壊されておらず、歯肉に対する治療を実施することにより歯を保存することは可能であることから、抜歯手術を行う必要性は乏しいと考えられる。

【抜歯手術】

○ 取扱い
 原則として、「P急発」病名で、「J000 抜歯手術 1 乳歯」、「J000 抜歯手術 2 前歯」又は、「J000 抜歯手術 3 臼歯」の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯周炎の急性症状の原因が当該歯で、切開等を行っても症状が改善しない場合に、疼痛等の炎症症状を軽減するために、抜歯手術を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【抜歯手術】

○ 取扱い  
原則として、「歯肉膿瘍(GA)」病名で、抜歯手術の算定を認めない。

○ 取扱いを定めた理由
歯肉膿瘍は、辺縁歯肉や歯間乳頭部に生じた膿瘍であり、膿瘍の治療を実施することにより、炎症症状が軽減し、歯を保存することは可能であることから、抜歯手術を行う必要性は乏しいと考えられる。

【抜歯手術及びヘミセクション(分割抜歯)】

○ 取扱い  
原則として、処置、手術又は歯冠修復・欠損補綴後に抜歯に至った場合の、抜歯手術又はヘミセクション(分割抜歯)の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
処置、手術又は歯冠修復・欠損補綴後に、歯又は歯周組織の症状等によって、当該歯が保存できずに、抜歯手術又はヘミセクションを行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【ヘミセクション(分割抜歯)】

○ 取扱い  
原則として、「根尖性歯周炎(Per)」病名で、ヘミセクション(分割抜歯)の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
ヘミセクションは、複数根のうち保存が可能な歯根を残して分割抜歯する手術であり、根尖性歯周炎の状態によって、一部の歯根を抜歯することが臨床上あり得るものと考えられる。

【ヘミセクション(分割抜歯)】

○ 取扱い  
原則として、「歯の破折(FrT)」病名で、ヘミセクション(分割抜歯)の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
ヘミセクションは、歯科疾患によって歯の保存が可能な歯根を残して分割抜歯する手術であり、歯の破折の状態によって、一部の歯根を抜歯することが臨床上あり得るものと考えられる。

【ヘミセクション(分割抜歯)】

○ 取扱い
 原則として、根分岐部に係る疾患がないヘミセクション(分割抜歯)の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
ヘミセクションは、歯科疾患によって歯の保存が可能な歯根を残して分割抜歯する手術であり、根分岐部以外の病変であっても一部の歯根が保存できない状態である場合は、当該手術を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【ヘミセクション(分割抜歯)】

○ 取扱い  
原則として、上顎大臼歯に対するヘミセクション(分割抜歯)の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
上顎大臼歯であっても、歯の状態や歯根形態等によって、残した歯根で適切な咬合関係が得られる場合は、ヘミセクションを行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【ヘミセクション(分割抜歯)】

○ 取扱い
 原則として、第三大臼歯に対するヘミセクション(分割抜歯)の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
第三大臼歯であっても、歯の状態や歯根形態等によって、残した歯根で適切な咬合関係が得られる場合は、ヘミセクションを行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【歯根嚢胞摘出手術】

○ 取扱い  
原則として、「根尖性歯周炎(Per)」病名のみで、歯根嚢胞摘出手術の算定を認めない。

○ 取扱いを定めた理由
歯根嚢胞摘出手術は、根尖に発生した歯根嚢胞を摘出する手術であり、歯根の周囲組織に細菌感染が拡大している状態を示す根尖性歯周炎で本手術を行うことは適切でないと考えられる。

【歯根端切除手術】

○ 取扱い
 原則として、「根尖性歯周炎(Per)」病名のみで、歯根端切除手術の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯根端切除手術は、病巣の発生原因となった歯根端を切除する手術であるため、その原因が根尖性歯周炎の場合に歯根端切除手術を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【歯の再植術】

○ 取扱い
 原則として、「根尖性歯周炎(Per)」病名で、歯の再植術の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
根尖性歯周炎は、根管内から歯根の周囲組織に細菌感染が拡大している状態を示しているが、通常の歯内療法では根管治療が困難な場合に、歯を一時的に抜去し、根管治療を行って再植することが臨床上あり得るものと考えられる。

【歯の再植術】

○ 取扱い  
原則として、乳歯の脱臼で、歯の再植術の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
乳歯であっても、脱臼後の経過時間や歯根の状態等によっては、歯の再植術を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【歯の移植手術】

○ 取扱い  
原則として、移植を受ける部位が「P」病名の場合であっても歯の移植手術の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由  歯の移植を受ける部位が歯周疾患であっても、歯根膜が機能していれば、歯を移植することが十分可能であると考えられる。

【歯槽骨整形手術、骨瘤除去手術】

○ 取扱い  
原則として、「歯槽骨鋭縁(SchA)」病名で、「歯槽骨整形手術、骨瘤除去手術」の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯槽骨が鋭縁又は隆起している場合は、歯槽骨整形手術又は骨瘤除去手術を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【歯槽骨整形手術、骨瘤除去手術】

○ 取扱い
原則として、欠損部位以外に対する「歯槽骨整形手術、骨瘤除去手術」の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯が残存している部位であっても、隣在歯の抜歯等に伴い歯槽骨が鋭縁又は隆起している場合は、歯槽骨整形手術又は骨瘤除去手術を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【頬、口唇、舌小帯形成術】

○ 取扱い  
原則として、「智歯周囲炎(Perico)」病名で、「頬、口唇、舌小帯形成術」の算定を認めない。

○ 取扱いを定めた理由
頬、口唇、舌小帯形成術は、各小帯の位置又は形態異常に対して行われる手術であるため、智歯周囲炎の部位や病態で、小帯の形成を行う必要性は乏しいと考えられる。

【頬腫瘍摘出術】

○ 取扱い  
原則として、「頬粘膜粘液嚢胞」病名で、「J033 頬腫瘍摘出術 1 粘液嚢胞摘出術」の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
頬腫瘍摘出術は、頬部に生じた良性腫瘍又は嚢胞を摘出する手術であるため、頬粘膜粘液嚢胞で本手術を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【頬粘膜腫瘍摘出術】

○ 取扱い  
原則として、「頬粘膜腫瘍」、「類皮嚢胞」又は「リンパ上皮性嚢胞」病名で、頬粘膜腫瘍摘出術の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
頬粘膜腫瘍摘出術は、頬粘膜に生じた良性腫瘍又は嚢胞を摘出する手術であり、頬粘膜腫瘍、類皮嚢胞又はリンパ上皮性嚢胞のいずれも頬粘膜に発生することから、本手術を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【腐骨除去手術】

○ 取扱い  
原則として、「エプーリス」病名で、「J047 腐骨除去手術 1 歯槽部に限局するもの」の算定を認めない。

○ 取扱いを定めた理由
腐骨除去手術は、化膿性の骨髄炎等が原因により壊死した骨を除去する手術であるため、腐骨を引き起こす状態を示す傷病名の記載が適切である。

【腐骨除去手術】

○ 取扱い  
原則として、「骨髄炎」病名で、腐骨除去手術の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
腐骨除去手術は、化膿性の骨髄炎等が原因により壊死した骨を除去する手術であるため、骨髄炎で手術を実施することが臨床上あり得るものと考えられる。

【腐骨除去手術】

○ 取扱い  
原則として、欠損部位以外の場合においても腐骨除去手術の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
腐骨除去手術は、化膿性の骨髄炎等の原因により壊死した骨を除去する手術であるが、欠損部以外であっても骨髄炎等が発生した場合に、当該手術を実施することが臨床上あり得るものと考えられる。

【腐骨除去手術】

○ 取扱い  
原則として、抜歯後、同一部位に対する「J047 腐骨除去手術 1 歯槽部に限局するもの」の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
抜歯後に、化膿性の骨髄炎等の原因により骨が壊死した場合に、腐骨除去手術を実施することが臨床上あり得るものと考えられる。

【歯周外科手術】

○ 取扱い  
原則として、「薬物性歯肉炎」病名で、「J063 歯周外科手術 3 歯肉切除手術」の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
薬物性歯肉炎は、抗てんかん薬等の副作用により、歯肉が増殖・肥大している状態であり、この場合は、歯肉を正常な形態に戻す歯肉切除手術を行うことが適切であると考えられる。

【歯周外科手術】

○ 取扱い
原則として、「歯根露出」又は「象牙質知覚過敏症(Hys)」病名で、「J063 歯周外科手術 6 歯肉歯槽粘膜形成手術 ハ 歯肉弁側方移動術」の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯根露出又は象牙質知覚過敏症は、物理的要因に伴う限局性の歯肉退縮が原因で発症することがあり、この場合に、退縮した根面を被覆することが臨床上あり得るものと考えられる。

【歯周外科手術】

○ 取扱い  
原則として、上顎に対する「J063 歯周外科手術 6 歯肉歯槽粘膜形成手術 ホ 口腔前庭拡張術」の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
口腔前庭拡張術は、頬舌側の口腔前庭が浅いために、有床義歯等の補綴物の装着等に支障が生じる場合に行われる手術であり、上顎であっても本手術を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【歯周外科手術】

○ 取扱い  
原則として、「口腔前庭狭小」病名で、「J063 歯周外科手術 6 歯肉歯槽粘膜形成手術 ホ 口腔前庭拡張術」の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
口腔前庭拡張術は、頬舌側の口腔前庭が浅いために、有床義歯等の補綴物の装着等に支障が生じる場合に行われる手術であり、口腔前庭狭小で本手術を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【伝達麻酔】

○ 取扱い  
原則として、下顎臼歯部の歯周外科手術を行うにあたって伝達麻酔の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
手術を行う部位や周囲組織の広範囲に麻酔が必要な場合は、下顎臼歯部及びその周囲組織に奏効する伝達麻酔を行うことにより良好な麻酔効果が期待できる。

【伝達麻酔】

○ 取扱い  
原則として、「J013 口腔内消炎手術 1 智歯周囲炎の歯肉弁切除等」を行うにあたって伝達麻酔の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
炎症症状があり浸潤麻酔が比較的奏効しにくい場合等は、下顎臼歯部及びその周囲組織に奏効する伝達麻酔を行うことにより良好な麻酔効果が期待できる。

【伝達麻酔】

○ 取扱い  
原則として、「P」病名で、下顎臼歯部の抜歯手術を行うにあたって伝達麻酔の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
手術を行う部位や周囲組織の広範囲に麻酔が必要な場合は、下顎臼歯部及びその周囲組織に奏効する伝達麻酔を行うことにより良好な麻酔効果が期待できる。

【歯冠修復】

○ 取扱い  
原則として、ヘミセクション後、歯内療法の算定がない歯冠修復の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
ヘミセクション後の根管の状態によっては、歯内療法を要せずに歯冠修復を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【窩洞形成、う蝕歯即時充填形成及びう蝕歯インレー修復形成】

○ 取扱い  
原則として、「う蝕(C)→歯髄炎(Pul)」の移行病名で、「う蝕(C)」に対する窩洞形成、う蝕歯即時充填形成又はう蝕歯インレー修復形成の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯の状態によって、歯髄炎に至ったとしても、それ以前に歯の実質欠損を回復するために、う蝕に対する窩洞形成、う蝕歯即時充填形成又はう蝕歯インレー修復形成を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【歯冠形成及び充填】

○ 取扱い  
原則として、「歯の破折(FrT)」病名で、「M001 歯冠形成 3 窩洞形成」及び充填の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯の破折の程度によって、歯の実質欠損を回復するために窩洞形成及び充填を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

○ 留意事項
歯冠形成から装着までの間の「FrT」に対しては認められない。

【歯冠形成及び充填】

○ 取扱い  
原則として、う蝕薬物塗布処置を行った歯に対する「M001 歯冠形成 3 窩洞形成」及び充填の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
う蝕薬物塗布処置後に、う蝕の症状が改善せずに、窩洞形成及び充填を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【支台築造】

○ 取扱い  
原則として、「う蝕(C)」病名で、支台築造の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
う蝕による歯の実質欠損が大きい場合に、支台築造を行うことで、補綴物の装着のための歯冠形態を回復させることが臨床上あり得るものと考えられる。

【支台築造印象】

○ 取扱い  
原則として、根管充填前の支台築造印象の算定を認めない。

○ 取扱いを定めた理由
根管充填前に支台築造印象を実施した場合は、築造物の適合性が確保されないことから、適切でないと考えられる。

【リテイナー及びテンポラリークラウン】

○ 取扱い  
原則として、同日に、同一部位に対するリテイナーとテンポラリークラウンの算定を認めない。

○ 取扱いを定めた理由
リテイナーは、支台歯の保護等のためにブリッジ装着までの間暫間的に装着されるものであり、一方で、テンポラリークラウンは、前歯部の歯冠補綴物を装着するまでの間暫間的に装着されるものであることから、同一部位に対して各々を装着することは考えにくい。

【装着】

○ 取扱い
 原則として、同一部位に対して築造物の脱離と歯冠修復物の脱離による再装着を行った場合において、各々の装着の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
メタルコア等の築造物や歯冠修復物がそれぞれ脱離した場合に、再装着をそれぞれ行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【仮床試適】

○ 取扱い  
原則として、増歯での有床義歯修理に対する仮床試適の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
増歯が必要な有床義歯の修理時に、顎堤が著しく吸収し、咬合関係の再現が難しい場合等においては、仮床試適を行ってから人工歯を排列することが臨床上あり得るものと考えられる。

【充填】

○ 取扱い  
原則として、「脱離」の病名のみで、充填の算定を認めない。

○ 取扱いを定めた理由
脱離で再装着を行った部位に対して、他に症状が表れていない状態に充填を行う必要性は乏しいと考えられる。

【充填】

○ 取扱い  
原則として、「疑い」の病名で、充填の算定を認めない。

○ 取扱いを定めた理由
充填はう蝕等によって歯の実質欠損が生じた場合に行われる治療であり、充填にあたっては、歯の実質欠損を示す傷病名の記載が適切である。

【充填】

○ 取扱い  
原則として、小児保隙装置(バンドループ)装着部位に対する充填の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
小児保隙装置の適合性を確保するために、歯の実質欠損部に充填を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

【有床義歯】

○ 取扱い  
原則として、歯周病安定期治療期間中の有床義歯の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
歯周病安定期治療は、4ミリメートル以上の歯周ポケットを有するものに対して一時的に安定している状態にある場合に行われる治療であり、歯周組織が安定している状況で、有床義歯を製作することが臨床上あり得るものと考えられる。

【有床義歯】

○ 取扱い  
原則として、1歯の残根上に義歯を製作した場合における有床義歯の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
支台歯や顎堤等の状態によっては、1歯の残根上に有床義歯を製作した場合であってもその機能が十分に発揮できるものと考えられる。

【バー】

○ 取扱い  
原則として、有床義歯修理時に使用した「M023 バー 1 鋳造バー」及び「M023 バー 2 屈曲バー」の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
有床義歯の破損状況によっては、有床義歯を修理する時に、鋳造バーや屈曲バーを使用することが臨床上あり得るものと考えられる。

【有床義歯修理】

○ 取扱い  
原則として、「口腔褥瘡性潰瘍(Dul)」病名で、有床義歯修理の算定を認めない。

○ 取扱いを定めた理由 
「口腔褥瘡性潰瘍(Dul)」は、有床義歯によって顎堤粘膜に褥瘡が生じた状態であるため、有床義歯修理の算定にあたっては、修理を必要とする傷病名の記載が適切である。

【有床義歯内面適合法】

○ 取扱い  
原則として、「義歯ハソン」病名で、有床義歯内面適合法の算定を認めない。

○ 取扱いを定めた理由
有床義歯内面適合法は、義歯床の粘膜面を一層削除し、新たに義歯床の床裏装を行う治療であることから、義歯の破損で当該治療を行うことは適切でないと考えられる。


【有床義歯内面適合法】

○ 取扱い  
原則として、「低位咬合」病名で、有床義歯内面適合法の算定を認めない。

○ 取扱いを定めた理由 
有床義歯内面適合法は、義歯床の粘膜面を一層削除し、新たに義歯床の床裏装を行う治療であることから、低位咬合で当該治療を行うことは適切でないと考えられる。

【有床義歯内面適合法】

○ 取扱い  
原則として、1歯又は2歯欠損の有床義歯に対する有床義歯内面適合法の算定を認める。

○ 取扱いを定めた理由
1~2歯欠損であっても、有床義歯の適合状態によっては、義歯床の粘膜面を一層削除し、床裏装を行うことが臨床上あり得るものと考えられる。

社会保険診療報酬支払基金
令和3年2月22日付 審査情報提供事例(歯科)