平成30年7月10日付けの厚生労働省の疑義解釈です。
歯科は全部で13問あります。以下歯科部門のみを抜粋。

【初診料の注1】
問1
初診料の注1に規定する施設基準において、「歯科外来診療の院内感染防止対策に係る研修を4年に1回以上、定期的に受講している常勤の歯科医師が1名以上配置されていること。」とされているが、休日・夜間診療所など、院内感染防止対策を行っているが医療機関の特性上、常勤歯科医師を配置することが困難である場合はどのようにすればよいか。
(答)
当該施設基準は、常勤歯科医師が配置されていることが原則であるが、次の(1)~(3)に該当し、専用の機器を用いた洗浄・滅菌処理等の院内感染防止対策が実施されている医療機関であって、非常勤歯科医師(当該医療機関の管理者に相当する者又は主に院内感染防止対策を担当する者等)が必要な研修を受講している場合については、当該医療機関の院内感染防止対策を行う歯科医師を常勤歯科医師に準じるものとして取り扱う。この場合において、様式2の8の受講者名の欄には、研修を受講した非常勤歯科医師名を記載する(研修を受講した歯科医師が複数名いる場合は、当該医療機関の管理者に相当する者又は主に院内感染防止対策を担当する者等の氏名の左に○を記載すること。)。
(1)
自治体や地域の歯科医師会が開設する(自治体から委託又は補助金等を受けているものも含む)休日・夜間の急患や障害児(者)等を対象とする歯科医療機関であり、非常勤歯科医師が当番制で診療を担当している場合
(2)
歯科を標榜する病院(歯科、小児歯科、矯正歯科、歯科口腔外科のいずれかを標榜)であり、歯科診療については非常勤歯科医師のみで行っている場合
(3)
その他、医療機関の特性上、常勤歯科医師の配置が困難であると認められる特段の理由がある場合
(3)に該当すると考えられる場合においては、医療機関の現況(開設者、管理者、診療時間、非常勤歯科医師数及び勤務体制、当該医療機関が対象とする患者、診療内容等)と常勤歯科医師の配置が困難である理由を記載した理由書を地方厚生(支)局長に提出し、当該施設基準該当の適否について判断を求める。

【かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の施設基準】
問2
かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の施設基準の「歯科疾患の重症化予防に資する継続管理に関する研修(口腔機能の管理を含む)」とは、どのような内容の研修が該当するのか。
(答)
「歯科疾患の重症化予防に資する継続管理に関する研修(口腔機能の管理を含む)」については、以下の内容をすべて含むものであること。
①う蝕(エナメル質初期う蝕を含む)の重症化予防と継続管理
②歯周病の重症化予防と継続管理(歯周病安定期治療の考え方を含むものであること)
③以下のいずれか1つ以上の内容を含む口腔機能管理
・口腔機能発達不全症
・口腔機能低下症
・全身的な疾患を有する患者の口腔機能管理等
(ただし、「高齢者の心身の特性及び緊急時対応等」に関する研修内容と重複しないもの)
なお、平成30年9月30日までの間に「歯科疾患の重症化予防に資する継続管理に関する研修(口腔機能の管理を含む)」として実施された研修については、①~③のすべての内容を含んでいないものであっても、歯科疾患の重症化予防及び口腔機能の管理に関する内容が含まれている場合は「歯科疾患の重症化予防に資する継続管理に関する研修(口腔機能の管理を含む)」に該当するものとする。(従前のかかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の施設基準を満たしていた医療機関が再度の届出を行う場合においても同様の取り扱いとする。)

問3
かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の施設基準の要件に、「過去1年間にフッ化物歯面塗布処置又は歯科疾患管理料のエナメル質初期う蝕管理加算をあわせて10回以上算定していること。」とあるが、「フッ化物歯面塗布処置」は、区分番号「I031」フッ化物歯面塗布処置の「3エナメル質初期う蝕に罹患している患者の場合」のみが該当するのか。
(答)
当該施設基準の「フッ化物歯面塗布処置」は、「1う蝕多発傾向者の場合」、「2在宅等療養患者の場合」又は「3エナメル質初期う蝕に罹患している患者の場合」のいずれも該当する。

【在宅療養支援歯科診療所1の施設基準】
問4
平成30年3月31日までに旧施設基準の「在宅療養支援歯科診療所」の届出を行っている保険医療機関又は平成30年4月1日以降に「在宅療養支援歯科診療所2」の届出を行った医療機関が、「在宅療養支援歯科診療所1」の届出を行う場合に、旧施設基準の「在宅療養支援歯科診療所」又は「在宅療養支援歯科診療所2」と重複する内容の研修を再度受講する必要があるか。
(答)
旧施設基準の「在宅療養支援歯科診療所」又は「在宅療養支援歯科診療所2」の施設基準の届出を行っていた医療機関が「在宅療養支援歯科診療所1」の施設基準の届出を行う場合において、研修については届出日から3年以内に受講したものであることが必要である。なお、旧施設基準の「在宅療養支援歯科診療所」又は「在宅療養支援歯科診療所2」の届出時の研修が「在宅療養支援歯科診療所1」の届出日から3年以内である場合については、再度の受講は必要なく、前回届出時の副本の写しを提出しても差し支えない。

問5
特掲診療料の施設基準等に係る通知(平成30年3月5日保医発0305第3号)の第14在宅療養支援歯科診療所1のクの「(ロ)在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料、小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料の算定があること。」とあるが、区分番号「C001-5」在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料と区分番号「C001-6」小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料の両方の算定実績が必要か。
(答)
いずれか一方の算定実績で差し支えない。

【歯科疾患管理料】
問6
初診時の口腔内所見等から歯周病が疑われ、歯科エックス線撮影又は歯科パノラマ断層撮影を行い歯周病の所見が認められる場合に、次の1)又は2)の診療を実施したが、歯周病検査の実施が困難であり、初診日の属する月には区分番号「D002」歯周病検査を実施できず、翌月に歯周病検査を実施する予定である場合に、区分番号「B000-4」歯科疾患管理料を算定できるか。
1)
早期に動揺歯の固定を行う必要があり、区分番号「I014」暫間固定を算定した場合
2)
多量のプラーク付着等があり口腔衛生状態が悪く、歯科医師が口腔衛生指導を実施した場合又は歯科衛生士が口腔衛生指導を実施し区分番号「B001-2」歯科衛生実地指導料を算定した場合
(答)
初診時の口腔内所見及び画像診断(歯科エックス線撮影又は歯科パノラマ断層撮影)により歯周病に罹患していることが確認され、臨床症状等から必要があって暫間固定や口腔衛生指導を先に実施し、やむを得ず初診月に歯周病検査が実施できなかった場合においても、初診月から歯科疾患の管理を開始する場合については、初診月から歯科疾患管理料を算定して差し支えない。ただし、この場合において、診療録に症状の要点、口腔内所見等の必要事項を記載し、歯周病検査は翌月の歯科疾患管理料算定時までに実施すること(ただし、歯周病の急性症状を呈する場合であって、歯周病検査の実施が困難である場合を除く。)。また、歯周病検査実施後は、検査結果を含め管理計画の変更点を患者等に対して説明し、変更の内容を診療録に記載すること。なお、初診日の属する月の診療報酬明細書の「摘要」欄に、歯周病検査は翌月実施予定である旨を記載すること。

問7
平成30年3月31日以前から有床義歯に係る治療のみを行っており、区分番号「B000-4」歯科疾患管理料の算定要件に該当しない患者について、口腔機能低下症と診断され、口腔機能管理が必要となった場合はどのようにすればよいか。
(答)
平成30年3月31日以前から有床義歯に係る治療のみを行っており、従前の歯科疾患管理料の算定要件に該当していなかった患者に対して、「口腔機能低下症に関する基本的な考え方」(平成30年3月日本歯科医学会)による診断基準により口腔機能低下症と診断され、口腔機能管理を開始する場合については、診断された月から歯科疾患管理料を算定して差し支えない。また、口腔機能低下症の診断を目的として咀嚼能力検査、咬合圧検査又は舌圧検査を実施した場合については、区分番号「D011-2」咀嚼能力検査、区分番号「D011-3」咬合圧検査又は区分番号「D012」舌圧検査を算定して差し支えない。これらの検査の結果、口腔機能低下症と診断された場合は歯科疾患管理料及び口腔機能管理加算を算定できる。なお、検査の結果、口腔機能低下症に該当しなかった場合については、検査を実施する月の診療報酬明細書の「摘要」欄に、口腔機能低下症の診断を目的に実施した旨を記載すること。

【歯周病患者画像活用指導料】
問8
区分番号「B001-3」歯周病患者画像活用指導料について、算定要件が「歯周病検査を実施する場合において」となっているが、歯周病の急性症状を呈する患者や初診時に暫間固定を必要とする患者(本事務連絡の別添2問6に該当する場合)で初診時の歯周病検査の実施は困難であるが、管理を開始して歯科疾患管理料を算定し、後日歯周病検査を実施する場合に、歯周病検査の実施前に当該指導料を算定しても差し支えないか。
(答)
算定して差し支えない。ただし、1回の歯周病検査に対して、その実施前と実施後の2回算定することはできない。

【訪問歯科衛生指導料】
問9
区分番号「C001」訪問歯科衛生指導料について、月の途中で患者数が変更となる以下の場合について、どのように算定すればよいか。
(1)当該月の当該保険医療機関の定める歯科訪問診療の計画に含まれていない患者からの歯科訪問診療の依頼により、訪問歯科衛生指導が必要となった患者が生じ、単一建物診療患者の人数が増加した場合
(2)計画に含まれていた患者が体調不良等により予約キャンセルとなり、月の途中で単一建物診療患者の人数が減少した場合
(答)
区分番号「C000」歯科訪問診療料は、「患者の求めに応じた歯科訪問診療」又は「歯科訪問診療に基づき継続的な歯科診療が必要と認められた患者に対する当該患者の同意を得た歯科訪問診療」に該当するいずれの場合も含まれ、医科点数表の区分番号「C000」往診料に相当する場合も歯科訪問診療料によって算定されることから、「患者の求めに応じた歯科訪問診療」に基づいて当該月当初の計画外に実施される訪問歯科衛生指導において人数が増加する場合((1)の場合)及び患者の体調不良等によるやむを得ない予約変更による計画人数の変更((2)の場合)は、以下の区分により算定する。
(1)
訪問歯科衛生指導を実施する当該月の当該保険医療機関の定める歯科訪問診療の計画に含まれていない患者(当該建物に居住している患者)から、月の途中で歯科訪問診療の依頼があり、訪問歯科衛生指導が必要な患者が増加した場合

当該月の当初の計画に基づいて訪問歯科衛生指導を実施した患者
:当初の予定の人数に応じた区分
②当該月の途中で訪問歯科衛生指導の必要性が生じ、当初の実施予定に含まれていなかった患者

当該患者の訪問歯科衛生指導を開始した時点における、当該建物で訪問歯科衛生指導を行う全患者数に応じた区分
(2)患者の体調不良等によるやむを得ないキャンセルにより、月の途中で単一建物居住者の人数が減少した場合当該月の当初の計画に基づいた当該建物の診療患者に応じた区分なお、人数が変更になった事由については診療録及び診療報酬明細書の「摘要」欄に記載すること。

【咬合調整】
問10
区分番号「I000-2」咬合調整の留意事項通知(1)のニについて、「鉤歯と鉤歯の対合歯に係るレスト製作のための削合」とあるが、単純鉤等を製作する場合において、咬合が緊密であることから鉤歯のレストシート以外の部位又は鉤歯の対合歯を削合する必要がある場合についてはどのように算定すればよいか。
(答)
咬合が緊密である場合において、クラスプを設置するスペースを確保する必要性から、やむを得ず鉤歯又は鉤歯の対合歯を削合する場合については、「レスト製作のための削合」に準じるものとして、咬合調整の留意事項通知(1)のニにより算定して差し支えない。

【暫間固定】
問11
区分番号「I014」暫間固定の留意事項通知(11)には「2困難なもの」により算定する場合として、「ロ区分番号J004-2に掲げる歯の再植術を行い、脱臼歯を暫間固定した場合」とあるが、区分番号「J004-2」歯の再植術の留意事項通知(4)による場合についても「2困難なもの」により算定できるか。
(答)
算定できる。

【在宅等療養患者専門的口腔衛生処置】
問12
区分番号「I029-2」在宅等療養患者専門的口腔衛生処置について、区分番号「C001」訪問歯科衛生指導料を算定した日は算定できない、となっているが、介護報酬の居宅療養管理指導費(歯科衛生士等が行う場合)又は介護予防居宅療養管理指導費(歯科衛生士等が行う場合)を算定した日に当該処置を算定できるか。
(答)
算定できない。

【歯科矯正】
問13
前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因する咬合異常に対する歯科矯正については、埋伏歯開窓術を必要とするものに限るとされているが、埋伏している永久歯すべてに対して埋伏歯開窓術を必要とする場合に限られるのか。
(答)
埋伏歯のうち、少なくとも1歯に埋伏歯開窓術が必要な場合は、歯科矯正の対象として差し支えない。


厚生労働省 厚生労働省保険局医療課
事務連絡 平成30年7月10日 「疑義解釈資料の送付について(その5)
全15ページ 歯科 10ページ~15ページ